折り返すまではキロ7分で走るから。
遅くても心配しないように。
パートナーにそう言い残して走り始めた。
龍馬脱藩フルマラソンは、折り返し少し下ったところが中間点。
2014年、初めてエントリーしたのはハーフ。がしかし荒天のため中止。このときTシャツを含む参加賞と返金処理が案内されてびっくり。もう毎年エントリーするしかないと心に誓ったのだった。
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
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前半 | 2:10:16 | 2:19:07 | 2:21:30 | 2:09:45 | 2:23:04 |
後半 | 2:36:02 | 2:55:18 | 2:30:31 | 3:04:54 | 2:10:25 |
結果 | 4:46:18 | 5:14:25 | 4:52:01 | 5:16:39 | 4:33:29 |
順位/脱藩地点 | 57 | 83 | 73 | 41 | 91 |
順位/年代別 | 94/189 | 106/186 | 59/172 | 72/153 | 52/178 |
脱藩までは過去最遅、脱藩からは過去最速。
過去最も気楽に走らせてもらったのにも関わらず(ここでの)自己ベスト…
マラソンてそういうもんです。
ハーフでもない10㎞でもない42.195kmという距離をきちんと最後まで走りきるには、いかに自己コントロールが必要か。余裕を持って走るということがどれだけ重要かを改めて認識させられる龍馬だった。
走り終わった後、こう感じるレースは過去数えるほどしかない。いかにその他多くのレースでは自分を見失っているか、ということになる。
2015年の瀬戸内海タートル、2016年の熊本城、2017年の下関海響。
どのレースもスタートから中間点まで実に冷静(本人談)、走っている間中終始自分を俯瞰視し今のままの走り方で最後まで走れるのか?を問いながら走りを修正する余裕があった(本人談)。
今年はたっぷり時間をかけて走ってもパートナーがたっぷり時間を満喫できる場所があるのでとっても気楽。
エイドはすべて完全停止
いつもなら走りながらちゃちゃっと補給するのだけど全てのエイドで完全に足を止めると決めていた。
11か所あるエイドのうち、ついうっかり(?)第2エイドだけ通り過ぎてしまったが、10か所は完全に足を止め停止して補給水した。
第2エイド、なんで止まらなかったんだろ?
走路の右手にあったからか?
かつ毎回コーラ(上からのぞき込んで、たくさん入っているやつ選んで)を手に取りバナナをパクパク食べて走り出した。
走り出してしばらくすると「ゲホーッ」てなるけど…まあええやろと、それも楽しむことにした。
龍馬脱藩フルマラソン、5回目の一番の目標は最後まで走ること。歩かないこと。
過去4回、なんの学習機能も働かず、毎回判で押したようにピタリと38キロ地点で脚が止まり。去年はとうとう倒れこんでしまい20分近く歩道で寝転んでしまった。
今自分が何をしなければならないのかをじっくり考えて臨んだ龍馬だった。
マラソンを走る前から、また走り出してからここまで真剣に「今はどう走ればいい?」と向き合ったのは初めてかもしれない。
いつも行って来い!だったから
- スタートほぼ最後尾にならぶスタート時、今日はピッチを落とさず(180超)走ろうと思う。近くにセーラーム(フ)ーンさんがいるのを感じる。
今年のセーラーム-ンさんは全身がキュッと引きしまっていてムフーン度が凄く高い。笑
しばらくはピッチを意識して走ったが指針変更。心拍数を要視することにした。
今日は心拍が130を超えないように意識した。もちろん鼻呼吸だ。行けることろまで120台で。
今年も台風の影響が懸念された脱藩の道(折り返し前)だったが走らせてもらえた(ありがたや)。折り返し直前の600mほどの脱藩の道を歩いて上がったとき以外で心拍が130を超えることはなかった。
自己コントロールという点で大きな収穫だった。
あ、折り返し直前の600mほどだけ歩きました。
歩いたん?走ったん?どっちなん?
ちなみに去年は台風の影響で脱藩の道は通れず舗装路を走りました。そのせいでえらい無茶をして後でえらい目に遭ったのだが…
- 脱藩の道脱藩の道は歩きました
仕方ない。人一人やっと通れる劇坂を上る30人ほどのランナーさんが前にいたし。いや、いなかったらいなかったで走ってしまっていたかもしれない。かえってよかったのです。歩けて。
▼ピッチ
前半:179
後半:174
- 折り返し長い下りは本当の我慢のしどころ
ここまでの辛く長い上りの往路区間が終わり、折り返した途端、5キロ以上も下りが続く。この長い下り区間はマラソンで本当の我慢とはどういうことかを確認する区間だ。
ここまで辛抱できたなら、もはや辛抱を辛抱と感じないお気楽さの境地を手に入れることができる。笑
折り返し下りに入ったとたんバンバン足音立てて抜き去っていくランナーさんも大勢いる。
が、それらは想定内。全く気にならないんだな。どのあたりで追いつけるかな~と考えてみたりもする。本当に追いつけるかどうかは別。
いずれにせよ、ここでの我慢(=休憩)がこの先の走りをきっと楽にしてくれると期待しているから。
- 25キロフルマラソンは25キロまで我慢する
平均ピッチは180を維持。フルマラソンは25キロまでと我慢できた直後の26キロ区間、この日はじめてキロ6分を切っていた。ここまで心拍が120台を維持できていたので油断した。
反省し2キロほど心拍(120台)を意識して走る。が120を超えることがないため、29キロ30キロとまたキロ5分台で走ってしまう。
自分が決めたことをできないと、あとで痛い目にあうのが分かっているので、このランはよくなかったかもしれない。
- 30キロひたすら緩やかな下りが続く
いつもなら、かなり呼吸が荒く苦しくなっているころ。今年はそうでもない。というか楽です。後から心拍を確認してみると30キロ超えたところから急に140台に突入している。
このあたりから自己コントロールが乱れている…我慢の限界だったか。
マラソンて25キロ~30キロあたりの自分の走り方で今日の自分のゴールの感じがなんとなく見えてくるころだ。
この後、地獄の10数キロが待っているのか、それともテンションマックスな天国を味わえるのか。
今日の感じは熊本や下関で感じていたときに近い。
- 30~33キロ横道に入り微妙なアップダウンが続く気持ち的に辛いところ
この先の38キロ地点よりはるか手前の区間なのだが、往路の走路からいったん横道に入り、微妙なアップダウンコースとなる。この区間、前を走るランナーと交差したり先行するランナーを遠く目にしながら走る、精神的にまあまあ厳しい区間だと思う。
長旅にくたびれた体に微妙なアップダウンの連続は、心を折れさせる。いつもならまったく楽しくない区間だ。
が今年は30キロ超えてから誰にも追い越されていないかも。もう楽しくてしょうがない。
このあと4年連続足が止まる地点の38キロに到達するまで5分台でグイグイ走っていたみたい。
だめじゃん。
- 38キロ毎年もうダメだと足が止まるところ
38キロ~40キロまでの2キロ区間には2本のトンネルがある。トンネル特有のアップダウンがあるためペースは落とすが、足が止まる感じはない。
ここまでゆっくり我慢して走っているからだろう。今年は何も息も苦しくないし脚も動く。
嬉しすぎて一人泣きそうになる。トンネルだから泣いても大丈夫だけれど泣いてはいない。
1本目のトンネル内で赤忍者さんに追いついた。挨拶をし、前を行くであろうセーラーム(フ)ーンさんのことを尋ねると「追い越してください」という。
いやいや今年のセーラームーンさんはかなり身体を絞っているように見えた。とても追いつく気はしない。
それでも、一応やれるだけやってみよう。2本のトンネルが終わり、もう上り箇所はゴール手前だけのはず。やるだけやるしかなかろう。
- 40~42.195キロ2.195キロをキロ4分台で走る快感
40キロ~42キロは、もう何の我慢もいらない。ここにきて始めて「走る」モードにスイッチを入れる。ああフルマラソンのこの位置でキロ4分台でこんながっつり走れるなんて。なんて幸せなんだろう。
マラソンは我慢のスポーツだなあとつくづく感じた1日だった。
もう走るのが終わってしまうのが残念でしょうがない龍馬脱藩フルマラソンだった。
次は、去年レース後に暴力的筋肉痛に襲われ当分歩くこともままならなくなった風早マラソン10キロだ。
脚を壊してしまわないよう慎重にそして去年より速く走りたいものだ。
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